2020-05-24から1日間の記事一覧

中村文則『土の中の子供』

中村文則『土の中の子供』。 養父母から虐待(土の中に埋められた過去もある)を受けたという過去を持つ青年の話で、常に暗い空気が漂っている。 この作品は芥川賞受賞作だが、選考委員の村上龍に「虐待を受けた人の現実をリアルに描くには簡単ではない。/他…

変身譚として読む『砂の女』(大学のレポートで提出したもの)

1 はじめに 安部公房は一九二四年、東京に生まれ、十六歳まで満洲の奉天で過ごす。一九四三年に東京帝国大学医学部に入学する。一九四八年に大学を卒業するも、医師にはならずに、創作活動に勤しむ。一九五一年に『壁――S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞を受賞…

藤原和博『10年後、君に仕事はあるのか?』

著者の藤原和博さんは教育改革実践家で、奈良市立一条高等学校校長を務めている。ところが、藤原さんは東京大学経済学部卒業で、元リクルート社のフェローだという。つまり、教育とは何ら関係のない道を進んできた方なのだ。 巷でよく囁かれる「教師は社会人…