2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『舞姫』『普請中』はなぜ書かれたか ~エリーゼという女性をめぐって~(大学のレポートで提出したもの)

『舞姫』『普請中』はなぜ書かれたか ~エリーゼという女性をめぐって~ 1. はじめに 『舞姫』は、一八九〇年一月、『国民之友』に、『普請中』は、一九一〇年六月、『三田文学』に発表された小説である。『舞姫』は鴎外の代表作と言ってよい作品である。そ…

「それはそれ。これはこれ」

最近、物騒な事件が多い。 ハロウィンの日に起きた地下鉄でのジョーカー事件、北新地のビルの放火、舞洲での倉庫の放火、共通テスト一日目に起きた切りつけ事件、立てこもり事件。 犯人たちがどういう生い立ちで、どういう思いで犯行に及んだのか。 そういっ…

それぞれの空間

本を読みすぎると、いけない。 たしかに、本を読むことで、筆者の主張をそのまま自分に内面化するのはよくないと思う。 すべての筆者の意見に対して従っているようでは、自分の根幹部分を揺るがされてしまう。 しかし、ときたまに自分の意見を代弁してくれる…

何者にもなれなかった

自分がない。 そのことに気づいたのはいつだったか。 多分、教員採用試験の面接試験に向けて自己分析を行っていたときだと思う。 自己分析。 「自分の長所・短所」「自己アピール」「ガクチカ」など、自分がどういう人間であるか、自分がどういったことを頑…

渡部泰明ほか『国語をめぐる冒険』

前置きなしで書いていきます。 第一章 国語は冒険の旅だ 第二章 言葉で心を知る 第三章 他者が見えると、自分も見える 第四章 言葉で伝え合う 第五章 言葉の地図を手に入れる 第一章 国語は冒険の旅だ 理想と現実。 「理想」は「こうなったらいいなという状…

野﨑まど『タイタン』

あけましておめでとうございます。 年末年始読んでいた小説を紹介して、2022年をスタートします。 あらすじ。 至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。 人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。 しかし、心理学を趣味とする内匠成果…