2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ポリコレ配慮のなれの果て

ノーマライゼーションという考え方が普及して、障がいを持つ子どもを公立学校でも受け入れているところはけっこうある。 私の勤めている高校でも、障がい者を受け入れている。 少し前だが、こういった事例があった。 とある私立小学校で、発達障害をもった児…

正論を語ることの危うさ

現代文の教科書の中に毛利衛さんの書いた「新しい地球観」という文章がある。 私自身、これはいい文章だとは思えない。 と言ってしまうと、大変、毛利衛さんに申し訳ないのだが、学校現場でこの文章を扱う理由があまり見いだせないのだ。 まず、最初の方にこ…

くだらないことはくだらないことではないし、生きがいを与えうるものである

情報に溢れている社会だから。 考えないといけないことで山積みの世界だから。 しないといけないことが多すぎる毎日だから。 朝井リョウ『どうしても生きてる』に収録されている「七分二十四秒め」 明らかに東海オンエアをモデルとしたであろうトヨハシレン…

世界に山積する問題について言及することについて――九段理江『schoolgirl』

最近、マイクロアグレッションという言葉を知った。 マイクロアグレッションとは差別の一種で、社会のマイノリティに対して向けられる偏見や先入観が些細に見える言動を指す。 一見するだけでは差別だとわかりづらく、言った本人に加害の自覚がないというケ…

沈殿を見よ

カルガモの親は子を殺すことがある。 トリビアの泉みたいな書き方をしたが、事実だ。 YouTubeで検索をかけたらヒットする。けっこうショック。 種の存続のために必要な行為だというが、実際、それを目の当たりにしたら衝撃だろう。 しかし、それはあくまで人…

太田肇『「承認欲求」の呪縛』

承認欲求という言葉が最近いろんなところで使われている。 特に若い子たちの間で使われている気がするのは気のせいだろうか? 正月に「おもしろ荘」という番組がやっていたのだが、そこに出てきた「ぱーてぃーちゃん」、今風のトリオだなとか思いながら、何…

21世紀を生きる 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

昔からクレヨンしんちゃんが好きだった。 漫画は全巻持っているし、途中まで映画はすべて見ていた。 その映画の中でも大好きなのは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』だ。 この映画ではマサオくんがバスを運転するときの覚醒シー…

多様性、再考

世間にはマイノリティーに属する人がいる。 LGBTQ、アセクシャル、吃音症、場面緘黙症、発達障害、ひとより繊細な「HSP」、字を書くのが苦手だという「ディスレクシア」、万引きがやめられない「クレプトマニア」 こういった人たちは世間的に理解さ…

今村夏子『こちらあみ子』(ネタバレ含む)

映画『花束みたいな恋をした』に出てきたというこの小説。 その映画は見ていないんだけど、この作品が映画に出てくるとは、どういった映画なんだろう? と思わずにいられないのは、『こちらあみ子』が極めて怖い小説だからである。 村田沙耶香さんの小説と同…