無視する力
俺、○○ってアニメ好き
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俺、○○ってアニメ嫌い
リツイート10 いいね15
まあ、私見だが「○○が好き」というツイートよりも「○○が嫌い」というツイートの方がリツイート(拡散)されやすい傾向にあると思う。Twitterにおける「いいね」はLINEにおける「既読」みたいになっている節があって、例えばある著名人の訃報のニュースのツイートにも一定数の「いいね」はある。その人が死んだことに対する「いいね」ではないことはもちろんだろう。
何が言いたいかというと、俺は「ひとは自分が好きなものをけなされたら怒る」ということだ。当たり前である。こんな当たり前のことをさも大発見であるかのように述べるのは、俺はその怒りを抑えることができずに攻撃的なリプライをすることで溜飲を下げようとする人が多いなあと思っているからである。
「炎上商法」とかいうものがある。
YouTubeで炎上しそうなタイトルをつけ炎上しそうなサムネイルにしておくことで再生数を稼ぐとかいうアレだ。
あの商法が成り立っているのは、一定数反応する人がいるからだ。
擁護できないような罪を犯した芸能人しかり犯罪者などを牽強付会の理論を述べて「悪くない」とか言うだけの「E(伏せておく)チャンネル」とか、亡くなった人を冒涜するかのような動画(岡江久美子さんの息子です、といったタイトルがつけられた動画とか)……、俺はあえてそういった系統の動画を探す気などさらさらないのであまり知らないが、探せばきっとたくさんあるだろう。
まあ、「炎上商法」に関しては論外で、そういったふうに自分の知名度をあげようとする輩がいるのはある意味すごいなって思う(顔晒してるし)。勇気があるなって。そんな勇気があるなら、もっと別のことに力注いだらいいのにとも思う。
俺が最初に提示した例。
ちょうどさっき「サマーウォーズ嫌い」といった旨のツイートを見かけ、そこのリプライが細田守ファンによる反論と、アンチ細田守による同意、また、なぜか無関係にも「未来のミライ」の批判も添えていたものもあった(評価低いけど「未来のミライ」けっこう好きだったりする)。
好きなものは好きで、嫌いなものは嫌い。
人それぞれ好き嫌いがある。
だから、「サマーウォーズ嫌い」というツイートに反論する人たちは人の嫌いなものを「好きであるべきだ」と主張しているようなものだ。YouTubeのコメント欄でたまに「低評価を押すなんてありえない!」といったものが見かけるがそれも同じだ。
そんなことを言うと、「人が好きなものを悪く言われたら気分悪いでしょ」と言われそうだが、確かにそれもそうだ。
そもそもTwitterは不特定多数の人間の目に晒されるのであって、そのような状況下に「サマーウォーズ嫌い」というツイートを投稿することで気分を害する人がいるかもしれないと想定しなかったツイ主が悪い。
確かに、確かに、そう考えるとツイ主が悪い。
「サマーウォーズ嫌い」と呟いた本人はどういった気持ちで投稿したかは判らない。
炎上商法と同じく注目を浴びたいから呟いたのかもしれないし、単に自分の感想を言いたかっただけかもしれない(にしては、何で今ごろ? とは思うけど)。
だが、こういった「○○嫌い」と言う奴は、匿名で発言できるTwitterやYouTubeのコメント欄といった場所で、いつでも現れる。
だから、ツイ主が悪いといったところで問題解決にはつながらない。
ツイ主の炎上を狙ったかのような発言にいちいち怒りに怒って反論しているようでは体力が持たないしね。
どう対処すべきか。
簡単な話、「無視をすればいい」のである。
例えば、「○○ってアニメ面白くないwwクソww」といった否定的意見を見かけたとしよう。もし、このツイートを見た人が全員無視できる人だったらどうなるか。
○○ってアニメ面白くないwwクソww
リツイート0 いいね0 12時間前
滑稽だ。このツイ主は批判リプが来るのを期待して待っていたのに、何度Twitterを開いても通知は来ず、最終的には一日も経たないうちにそっとツイートを消すことになる……そういったストーリーが目に映る。
結局、目立ちたがりのツイ主はいっぱい批判が来ることを期待しているのだから、そいつの気持ちを折れさせるには全員無視するのが手っ取り早い。
炎上商法に便乗した動画も、時間をかけて制作したにも関わらず、反応0だったら投稿者は「俺何やってんだろ」と虚しさを感じるに違いない。
だから、「あなたの言っていることは間違っています」とか「可哀想な人だね(*_*;)」とか、一見、ツイ主や動画投稿者に効果ありそうなリプやコメントも実は無意味で、むしろ彼らの思うツボだったりするのだ。彼らは反応を示してくれただけで満たされるのだから。
他にも炎上ツイートのリプ欄が「メモ 明日10時起床」とかツイート内容とまったく無関係のツイートだったりするときもあるが(ほんとにあるんだ)、あれは自分はツイ主の発言を無視している、反論するに値しない、といった意図で送っているのだろうがが、それだったら完全に無視してリプライを飛ばすなと言いたくなる。
正直なところ、中学生、高校生は多感な時期で、自分が好きなものを貶されると腹が立ち、やり場のない怒りを匿名の箱を被ってネットに過激な発言を残すといった事例は多くありそうだ。自分にも思い当たる節がないこともないのだから。
そういった意味で中高生は情報リテラシーをきっちり学ぶべきであると思う。
学校でもそうだが、家庭内でもそうだ。
(親のクレジットをつかってスパチャしてる子どもがいる(しかもその子は自分が投げ銭をしていることに気付いていないっぽい)らしいが、何とも恐ろしい)
で、同時に「無視する力」も養って欲しいと思う。
やり場のない怒りを言い返すのではなく、好きなことをしてみるとか運動してみるとか(防衛機制における「昇華」)してね。
この力さえあれば、どれだけ理不尽なことを言われても聞き逃すだけの大きな心を持つことができそうだ。
安易に「いじめ問題」について語るのは怖いが、「いじめ」だって「いじめる側」が「いじめられる側」の反応を楽しんでいるのだから、徹底して無視を貫けば、自然「いじめる側」は撤退するだろう。
ただ、この「無視する力」は使いどころが重要で、「聞くべき話」「聞かなくてもいい話」をしっかり判別する必要がある。
「あいつが悪い」と客観的に見ても正しいと思えることに関しては無視すべきじゃないし、人権侵害に値する過激的なリプライを飛ばされたとき、無視しようとしても心を傷つけられることはあるのだから、そういったときは表向きは「無視する」がこういうことがあったと警察に相談するといった臨機応変に対応すべきだろう(実際、今日、ミルクボーイの駒場さんに攻撃的なツイートを飛ばしていた犯人が逮捕されたというニュースを見た。Twitter上だからといって何でもかんでも発言していいってわけじゃないのだ)。
匿名の箱を被って気色悪い笑みを浮かべたやつらを調子に乗らさないためにも、俺たちは怒りを直接彼らにぶつけるのではなく、無視することだ、そして彼らをしらけさせるべきだ。
でもね
非常に簡単なことなのに、哀しいかなみんなルアーに飛びついてしまっている。