安易な推測

インターネット上で、簡単に評論家をきどって、あらゆるニュースについて意見を投げかけられる時代になった今、確固たる証拠もなく短絡的で安易な推測でモノを言う人が散見される。本来、書籍や新聞で書かれるような意見は、ある程度の時間をかけ、たくさんの資料をもとに、体系的に理論を組み立てているため、信頼に足るものがほとんどだ(中には、参考文献が書かれておらず、出所不明な根拠がほぼないようなものもある)。

 

ニュースの記事をさらっと読んで、「◯◯ではないか?」と推測する。例えば、最近では、アフリカの像が謎の変死を遂げたというニュースに対し、「5Gのせい」「中国のせい」「ビル・ゲイツのせい」といった具合に、あらゆる犯人探しを行なっている。

 

私が危惧しているのは、自分の意見を持っていない人がそういった推測のコメントを見て、「ああ、5G怖い」とか「中国ふざけんな」とか「ビル・ゲイツってそういう人だったん?」とか、真に受けてしまうことだ。で、間違えた、偏った考え方をしてしまうようになり、これからあらゆる情報に対してバイアスがかかって正常な判断ができなくなる。

 

かといって、ニュースに対してコメントすることをやめさせた場合、それは言論の自由を奪うことになる。はたして、どうすればいいか?  

 

簡単に答えが出るようなら、もうとっくの前に安易な推測をする者などいなくなっていることだろう。