直木賞候補作予想

こんにちは、

文学賞オタなので

一丁前に直木賞候補作予想をします。

165回直木賞 (2021年上半期)

多分、7月15日くらいに発表されると思う。

 

早速ですが、予想候補作


佐藤 究『テスカトリポカ』

澤田瞳子『星落ちて、なお』

柳 広司『アンブレイカブル

朝倉かすみ『にぎやかな落日』

呉 勝浩『おれたちの歌をうたえ』

原田マハリボルバー

 

佐藤 究『テスカトリポカ』

 

【あらすじ】

メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

 

この作品はつい最近山本周五郎賞をとったんだよね。書評家の豊崎由美さんも大絶賛してる。佐藤究さんといえば、『Ank: a mirroring ape』で吉川英治文学新人賞をとってる。実力派の期待の新人ということで、そのまま勢いで直木賞もかっさらう?

 

澤田瞳子『星落ちて、なお』

【あらすじ】

鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とは――。
父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。

不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだった――。

 

もしこの作品が候補作にあがれば、澤田さんは直木賞候補に5回選ばれたことになる。

なぜこの作品を予想したのか、深い理由はない。河鍋暁斎という名前に惹かれただけだ。そう言えば、河鍋暁斎の絵画展を見に兵庫まで行ったなぁとか思いながら。

 

柳 広司『アンブレイカブル

【あらすじ】

罪は捜すな、仕立て上げろ

1925年、治安維持法成立。太平洋戦争の軍靴が迫るなか、罪状捏造に走る官憲と、信念を貫く男たちとの闘いが始まった……。

蟹工船』の取材と執筆に熱中するプロレタリア文学の旗手・小林多喜二
反社会的、非国民的思想犯として特高に監視される反戦川柳作家・鶴彬(つる・あきら)。
同業他社の知人たちに不可思議な失踪が続き、怯える編集者・和田喜太郎。
不遇にありながら、天才的な論考を発表し続ける、稀代の哲学者・三木清

法の贄(にえ)となりながら、男たちは己の信念を貫いた。

 

ジョーカー・ゲーム』でお馴染みの柳広司さん。その作品で吉川英治文学新人賞をとりました。ということで直木賞候補作になってもおかしくないでしょう。前回の直木賞候補作にあがった長浦京『アンダードッグス』、坂上泉『インビジブル』の系譜かな。その系譜としては佐藤 究『テスカトリポカ』もそうだろう。冲方丁の『アクティベイター』と迷ったけど僅差でこっち。柳さんの方が文学賞感ある。なんて適当な理由。冲方丁さんが候補にあがればそっちはそっちでテンションあがるけど。

 

朝倉かすみ『にぎやかな落日』

【あらすじ】

北海道で独り暮らしするおもちさん、83歳。夫は施設に入り、娘は東京から日に二度電話をくれる。実は持病が悪化して、家族がおもちさんの生活のすべてを決めていくことに。不安と寂しさと、ほんのちょっとの幸せと、揺れては消えるひとりの老女の内面に寄り添う、人生最晩年の物語。

 

 朝倉かすみといえば『平場の月』が大いに話題になった。その話題作は山本周五郎賞を受賞した。直木賞候補作になったが惜しくも受賞とはならなかった。

 そんな朝倉かすみの作品としてはやや小ぶりな気がする。こういう力量のある作家の不運の候補作というのはよく見られる。万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』とか、恩田陸の『の底らかな』とか。

 

呉 勝浩『おれたちの歌をうたえ』

【あらすじ】

「あんた、ゴミサトシって知ってるか?」
元刑事の河辺のもとに、ある日かかってきた電話。その瞬間、封印していた記憶があふれ出す。真っ白な雪と、死体――。あの日、本当は何があったのか?
友が遺した暗号に導かれ、40年前の事件を洗いはじめた河辺とチンピラの茂田はやがて、隠されてきた真実へとたどり着く。

 

呉勝浩といえば『スワン』。ミステリーとして破綻していると世間からはわりと不評なのだが、選考委員とは相性がいいのか、直木賞受賞作とはならなかったが、吉川英治文学新人賞を受賞した。今回のこの小説もAmazonのレビューを見る限り、ミステリーとしてどうなのかって声が多数あるみたいだが、もし候補作に上がったら、選考委員は好感触を覚えるのではないか、と思う。勝手なイメージだけど。

 

原田マハリボルバー

【あらすじ】

誰が引き金を引いたのか?    
ゴッホの死」。アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ。
パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。
「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」 「――殺されたんじゃないのか? ……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」
ゴッホゴーギャン
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。 

 

原田マハ。言わずと知れた作家。今回候補となれば五回目の候補となる。『楽園のカンヴァス』は選考委員は評価高め。しかし、以降は不発。選考委員の評価はいいものとはいえない。しかし、このパターン。馳星周パターンではないか。『不夜城』で選考委員たちを驚かせたと思いきや、以降はずるずるずると……。そして、前々回の『少年と犬』で受賞! このパターン!

 

 

 

いろいろ書きましたが、実はどの小説も読んでいないのです。

だからどれが受賞するかなんて理論的に説明できるはずがない。

この蛮行をお許しください。

一番上の佐藤究『テスカトリポカ』は読んでみたいと思っているんですが。

 

最後に、読んでなくせに上の候補作から受賞作を予想するなら、ふたつ。

『テスカトリポカ』

リボルバー

ですかね。