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佐藤博志『クリエイティブな教師になろう:これからの教師像と5つの視点』

今回はただ本書の中で、共感を示したところや大事だなと思ったところをそのまま抜き出しているだけで、実質手抜きである。 ・未来予測と教育 未来予測と教育学は密接に関連している。 教師は未来社会をイメージし、その社会で個々人がそれぞれの持ち味を活か…

やりたいことを見つけるために

まず、初めに今回は以下の本を参照したことをここに述べる。 ビル・バーネット、デイブ・エヴァンス『スタンフォード式 人生デザイン講座』(ハヤカワ ノンフィクション文庫) 八木仁平『「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メ…

落合陽一『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』 以前、『日本進化論』を取り上げたが、その著者である落合陽一氏の著書だ。 zzzxxx1248.hatenablog.com 「人生100年時代」に突入した今、生き方が変わろうとしてい…

村上春樹『スプートニクの恋人』

私は村上春樹の小説を面白いと感じる人間だ。 だが、小説の内容をしっかり理解しているのかと尋ねられれば、口ごもってしまう。 そもそも、私は「ファンタジー寄りの純文学」がけっこう好きで、それこそ安部公房(『壁』とか『バベルの塔の狸』)とか芥川龍…

落合陽一『日本進化論』

落合氏の肩書はすごい。 メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学学長補佐・准教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロ…

ハンス・ロスリング『FACTFULNESS』

ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた。医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―― ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。本書は、事実…

大江健三郎『個人的な体験』

大江健三郎『個人的な体験』を読んでまず思ったのは、意外にも少年漫画的だなといったものだった。少年漫画的というのは、あくまで私の直感による曖昧な比喩表現にすぎない。だが、「文学」っぽくはなかったのだ。いや、もちろん、大江健三郎はノーベル文学…

Think clearly②

5.簡単に頼みごとを応じるのはやめよう 人に好かれたいと思うことで頼みごとを断れない人がいます。ですが、いったん頼みごとに応じると自分の行為を正当化しようとします。理由はいくつでも作り出せますが、「時間」は限りあるものです。とはいえ頼みごとを…

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

藤井聡太七段(17)が永瀬拓矢二冠に勝利し、「棋聖」のタイトルへの挑戦権を獲得し、最年少記録を更新したようで。将棋に造詣が深くはない私が賛辞を贈るのは滑稽な話ではありますが、おめでとうございます。 今回は藤原和博さんの著書『10年後に、君に仕事…

Think clearly ①

ロルフ・ドベリさんの書いたビジネス書の話です。 52個もあるので項目だけでもここに書いてアウトプットしようと思う。 1.考えるより、行動しよう 人間考えるのはラクなんです。責任を負わなくていいから。また、ブラック企業に勤めていて、ブラックだとか思…

橋本陽介『使える!「国語」の考え方』

今回はあんまり真剣に考察するとかじゃなくて 軽くいろいろ述べて行こうかなと思う。 ①羅生門の授業 ②小説文の授業について生徒はどう思っているのか? ③小説を読むことの意味を問う ④ツッコミを入れる ⑤理解されやすい文章のセオリー ⑥まとめ ①羅生門の授業…

中村文則『土の中の子供』

中村文則『土の中の子供』。 養父母から虐待(土の中に埋められた過去もある)を受けたという過去を持つ青年の話で、常に暗い空気が漂っている。 この作品は芥川賞受賞作だが、選考委員の村上龍に「虐待を受けた人の現実をリアルに描くには簡単ではない。/他…

変身譚として読む『砂の女』(大学のレポートで提出したもの)

1 はじめに 安部公房は一九二四年、東京に生まれ、十六歳まで満洲の奉天で過ごす。一九四三年に東京帝国大学医学部に入学する。一九四八年に大学を卒業するも、医師にはならずに、創作活動に勤しむ。一九五一年に『壁――S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞を受賞…

藤原和博『10年後、君に仕事はあるのか?』

著者の藤原和博さんは教育改革実践家で、奈良市立一条高等学校校長を務めている。ところが、藤原さんは東京大学経済学部卒業で、元リクルート社のフェローだという。つまり、教育とは何ら関係のない道を進んできた方なのだ。 巷でよく囁かれる「教師は社会人…

村上慎一『なぜ国語を学ぶのか』

「岩波ジュニア新書」ということで、小中学生でも読める易しい著書である。 先生と生徒の対話形式で「なぜ国語を学ぶのか?」という疑問に答えていく。難しい言葉はいっさい出てこない。 読みやすい。 正直、大人の自分が読むにはあまりに易しすぎた、という…

内田樹『そのうちなんとかなるだろう』

私は内田樹さんについてあまり知らなかった。 「あまり」ということから、「少し」は知っていたということなのだが、そうはいっても、内田さんの文章が阪大の試験に出た(『街場の戦争論』)とか高校で内田さんが講演しに来てくれたとかそれくらいで、内田樹…

村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』

村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』は1980年10月に講談社より書下ろされた長編小説である。コインロッカーベイビーとは鉄道駅などのコインロッカーに遺棄された新生児のことで、これは所謂捨て子であり、こういった遺棄事件はを1970年代に日本国内で同時…

奥泉光『夏目漱石、読んじゃえば?』

奥泉光さんの名前は存じ上げておりましたが、実際に奥泉さんの著書を読んだことはついぞありませんでした。 奥泉光さんは、芥川賞を受賞した『石の来歴』が有名で純文学作家と思いきや『「吾輩は猫である」殺人事件』や『シューマンの指』といったミステリー…