2021-01-01から1年間の記事一覧

鎌田實『相手の身になる練習』

現代文の読み方について。 まず、読み手の主観はいったんどける。 そして筆者の意見に対してこびへつらうように読む。 なんだか嫌な感じだな、と思われるかもしれないが、実はこれ、いわゆる客観的な視線を持つためのトレーニングでもある。 言ってしまえば…

石田衣良『5年3組リョウタ組』

久々です。 試験とかで忙しくて更新できていませんでした。 はい、言い訳はさておき。 石田衣良『5年3組リョウタ組』 主人公は中道良太という茶髪でネックレスをつけたチャラい感じの25歳の小学校教師。聡明というわけではなく、熱い教育理念を抱いているわ…

宮口幸治『どうしても頑張れない人たち』

あの『ケーキを切れない非行少年たち』の著書・宮口幸治氏が著した本。 ケーキの切れない非行少年たち 作者:宮口 幸治 新潮社 Amazon zzzxxx1248.hatenablog.com 『どうしても頑張れない人たち』 『ケーキを切れない非行少年たち』では、認知機能が弱く、感…

三部けい『僕だけがいない街』

『僕だけがいない街』って漫画を読んだ。 ジャンルとしては、ミステリー×SF(タイムリープ系) (今はやりの『東京卍リベンジャーズ』もそうだな) けっこうおもしろかった といえば、上から目線っぽいので すなおにおもしろかった 個人的に、登場人物の信念…

古宮昇『傾聴の基本』

聞き上手という言葉があるが、それは話を聞くのがうまい、つまり、話をしていて楽しいとか安心できるとかそういったひとのことを指すのだろう。話をしている最中に、自分の話をし始めたり、リアクションがなかったり、そういったひとは残念ながら聞き上手と…

直木賞候補 答え合わせ

予想は 佐藤 究『テスカトリポカ』 澤田瞳子『星落ちて、なお』 柳 広司『アンブレイカブル』 朝倉かすみ『にぎやかな落日』 呉 勝浩『おれたちの歌をうたえ』 原田マハ『リボルバー』 でしたが、 結果は、 一穂ミチさん「スモールワールズ」呉勝浩さん「お…

直木賞候補作予想

こんにちは、 文学賞オタなので 一丁前に直木賞候補作予想をします。 165回直木賞 (2021年上半期) 多分、7月15日くらいに発表されると思う。 早速ですが、予想候補作 佐藤 究『テスカトリポカ』 澤田瞳子『星落ちて、なお』 柳 広司『アンブレイカブル』 朝…

外山美樹『勉強する気はなぜ起こらないのか』

ルンバを見て、「やる気ある」と思うひとはいないだろう。 もし、いれば、そいつはそうとうな変わり者だな。 なぜ、ルンバを見て「やる気ある」と思わないのか。 それはルンバが電力という外部からの力を得ているからである。 人間は電力などでエネルギーを…

強調

このブログ内で 前に書いた内容と似た話を持ってきたり、同じ主張をしてしまっていたりするかもしれない。 しかし、よく新書でも同じ著者が同じ話をしていることはある。 ということで、このブログ内でも、そんなことがたびたび起こるだろう。 無意識にやっ…

SDGsとは何か?

SDGsとは、未来の世界のかたちだ SDGsは「持続可能な開発目標」と訳されることが多いが、「持続可能な成長目標」としたほうがわかりやすいそうだ。 今だけ成長して未来に経済的・社会的・環境的な負債を残すのではなく、持続的に成長していく。しかも、経済…

あざとかわいい

グーの手をこすって匂いをかいでみて そう言って、相手が言うとおりにすると、 「ぶりっこ!」 …… このからかい方、知っているひといるかな? 少し前なら「ぶりっこ」は忌避される行為であったはずだ。 しかし、現在、TikTokやインスタ(少し前ならSNOWとか…

学校の役割について

私は以下のツイートを見て、違和感を感じた。 学校を「社会へ出るための訓練所」だと勘違いしている先生があまりに多い。訓練に耐えられない子どもには「社会はもっと辛いんだ」と追い詰める構図はブラック企業そのもの学校は「社会から子どもたちを守る」た…

古文を学ぶ理由(会話劇)

A「れ・れ・る・るる・るれ・れよ……。あー、なんで古文なんて勉強しなきゃいけないんだよ」 B「どうした? そんなに暴れて」 A「いや、暴れてはないが」 B「古文の勉強? あー、懐かしい。昔やったねえ。古文は簡単だよ。助動詞だけを覚えればいいから」 A「…

重松清『十字架』―罪の十字架を一生背負っていく。

重松清『十字架』 なかなか重い小説だった。 もちろん物理的ではなく、空気が重いのだ。 あらすじを書き記す。 以前からクラス内でいじめを受けていた中学生、藤井俊介(以下、フジシュン)は、ある日、遺書を残して自宅の庭の木で首を吊って死んだ。遺書に…

世にはびこる正義マン

私はこのブログで大きな罪をおかしている。 ちなみに罪は自覚している。 それは私の意見と筆者の意見を混同していることだ。 最近は( )内の文章を私見、それ以外は筆者の意見という分け方にしているのだが、初期のものはほとんどが混同しまくっている。 と…

Z世代は親友のいらない未来を夢見るか?

Z世代という名前は、原田曜平『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』という著書を見て、初めて知った。 なぜ、「Z」なのかというと、上記の著書いわく、「アメリカでは彼らより上の世代が「ジェネレーションX」(諸説あるが1960年代初頭または…

自尊感情の低い子どもたちに声掛けを

世の中には生きづらさを感じているひとが多くいる。 老若男女問わずそういうひとはいると思うが、私は今回「子ども」に絞って書いていく。 自尊感情の低い子ども。 そもそも、なぜ子どもたちは自尊感情が低いのか? 古荘純一『日本の子どもの自尊感情はなぜ…

用意しない言葉

言葉を用意しなけりゃ 語れんなら 自分の頭で 考えたよ

暗いことで人に迷惑をかける

「暗いことで人に迷惑をかけるの、やめようと思ったんだよ」 作家・中村文則は言う。 悩み苦しみつらいとき。 自然と暗くなるもの。 でも自分が暗いと周りも嫌な気になってしまう。 物語の主人公があらゆることに悩んで塞ぎ込むような性格より、元気で突き抜…

あえて空気を読まない、そして、援助希求力 ――諸富祥彦『教師の資質』『いい教師の条件』

いま、Twitter上で「#教師のバトン」なるものが賑わいを見せている。 確かに勤務校の担任や校務分掌の長を見ていると、その大変さに恐ろしさを感じることもある。もはや、教師の本分である授業は二の次どころか三、四の次くらいである。 私の勤務校では、生…

坂口恭平『苦しい時は電話して』

苦しい時は電話して あ、別に病んでないです。 ただ、気になって手に取っただけ。 たとえば、心が病んでいるひと、自傷しようとしているひと、自殺を考えているひとにどんな支援ができるだろうか? とか、そもそもどういったことを考えているのか? とか、そ…

土井隆義『友だち地獄』

『友だち地獄』 ちょっと前に紹介した『友だち幻想』よりドロドロとした嫌なリアルが書かれている。 1.いじめを生み出す「優しい関係」 2.リストカット少女の「痛み」の系譜 3.ひきこもりとケータイ小説のあいだ 4.ケータイによる自己ナビゲーション 5.ネッ…

人助け

ついさっき 歩けないおばあちゃんを介抱していた中高生くらいの女の子がいた。 最終的に自分も手伝いにというか、どうしたんですか?と声かけはしたんだが、一瞬見て見ぬ振りをしようと思ってしまった。 自分は積極的に人助けをするような子供たちを認めてい…

吉本ばなな『TSUGUMI』

つぐみ。 意地悪で粗野で口が悪く、わがままで甘ったれでずる賢いつぐみ。 彼女は病弱である。 病弱なキャラクターとは思えないほど、つぐみは自由気ままだし天真爛漫である。 だから、つぐみが病弱であるということを忘れてしまいそうになる。 最後まで読ん…

国語の文章

シンプルに いじめ問題にかかわる文章とか 人間関係における悩みに関する文章とか 自分とは何か、といった哲学的な文章とか コミュニケーションに関する文章とか 格差社会に関する文章とか そういった文章を国語科で扱うべきでは? モアイ像がどうとか、ミロ…

優越感はいらない―『おとなになるのび太たちへ』

私はのび太が嫌いだ。 馬鹿で、のろまで、どんくさくて、泣き虫で、すぐにドラえもんに頼って…… 私はのび太が嫌いだった。 私が眼鏡があまり好きではないのも、襟つきの服を着たがらないのも、実は野比のび太が嫌いだからだ。 昔から、嫌いだった。 嫌い、嫌…

つかれ

最近つかれる 1日のシューチュー力って限られてるらしぃ よけーなことに脳働かせてるあいだにもシューチュー力は消費される らしぃ とにもかくにも みんな元気?

つまらないおとな

こどもはゲームして楽しんでる おとなはゲームをしない つまんないおとな そう思われてる? おとな、つまんない?

平田オリザ『わかりあえないことから』

コミュニケ―ションについて書かれた新書。 コミュニケーション教育が求められている昨今、どこに言ってもコミュニケーションは必要だと叫ばれる昨今、面接で勝ち上がるためにコミュニケーション能力はこれ以上ないほど重要だといわれる昨今。 昔は寡黙なひと…

本買いたい病

本買いたい病の患者です。どうも。 とくに買いたい本があるわけでもないのに、本屋に立ち寄ったりします。 それで、おもしろそーとか、興味あるなーって本を手に取って、気がつけばいっぱい買っちゃっているんです。 不治の病ですかね? 最近は、新書を買い…